今日の記事は、前回のコラム「人にどう思われるかを気にしない方法」の続編です。
スタートアップ・サポート組織Yコンビネータ代表のサム・アルトマンに学ぶシリコンバレー流マインドセット。
秘訣はまずは肯定、そしてどうしてそれが上手くいくのか考えるです。
あなたが人にどう思われるかを気にしないでやりたいことを実行するときだけでなく、職場でのやりとりや、家族間のコミュニケーションにも大いに力を発揮する考え方です。
ぜひ読んでみてくださいね。
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サム・アルトマンって誰?
サム・アルトマン(Sam Altman)で検索すると、まず「Yコンビネータ(Y Combinator)のサム・アルトマン」というのが目に入ってきます。
Yコンビネータはシリコンバレーのシードアクセラレーター組織ということですが、シードアクセラレーターって何かというと
シードアクセラレーター(英語: Seed accelerator)とは起業家や創業直後の企業に対し、事業を成長させるための支援を行う組織である。通常はスタートアップ企業が対象となる。支援の内容として、資金、人脈紹介、助言(メンタリング)、オフィススペース(通常はシェアワークスペース)等が提供される
wikipedia
ほほう(知らなかったワタクシ)。
ちなみにスタートアップは、砕いて言えば今までにない新しい発想で起業したビジネス。
まとめると、サム・アルトマンは、スタートアップが上手く軌道にのれるようにサポートする組織Yコンビネータの代表ってことですね。
数多くのスタートアップを見てきた彼が語るシリコンバレー流マインドセットとは?
早速みてみましょう。
サム・アルトマンが語るシリコンバレー流マインドセット
スピーチ抜粋・ 日英完全対訳
まずは、スタートアップ向けカンファレンスPlatziConfでの彼のスピーチの中から、 人にどう思われるかを気にしないでやりたいことを実行したいあなたにおすすめの部分の抜粋です。
ビデオ12:46からの部分です。
お前のアイデアひどくね?っていう奴は無視でいいです。
Ignore people telling you your idea is bad.
彼らは正しいかもしれないけど、上手くいくかどうかは実際やってみないとわからないから。
They may be right but the only way to know is to actually build that out,
それと、起業してみようと思うんだ、僕の考えはこうって話したときのおきまりの反応って、どうもシリコンバレーとメキシコシティや他の場所とでは違ってるみたいなんです。
and i think the thing that works about Silicon valley that’s different than Mexico City or almost anywhere else in the world is the default response if someone says hey i wanna start a startup here’s my idea.
というのは、(シリコンバレーでは)お、いいじゃん!て反応で、どうしてそれが上手くいきそうかって考えるのが普通なんだけど、
The default response is to be excited and think like oh why that might work,
シリコンバレー以外のほとんどの場所では、アイデアを誰かに話したら、え?それってムリじゃね?って反応がかえってくるのが普通なんです。
and in most of the rest of the world, the default response when you tell someone your idea is to say oh that’s not going to work,
これって、自分を信じてないといけないスタートアップにとってはすっげー毒だし、
and this is really toxic for startups, ’cause you have to believe in yourself、
良いアイデアってダメなアイデアに見えるものだから、脆いしダメになりやすいんですよ
and the good ideas, because they sound like bad ideas, are so fragile and so killable
だから、あなたはこんな毒からしっかり身を守れるようにしておかないといけないんです。
that you have to be really careful to insulate yourself against this.
日英対訳:Yuki Kai
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注目ポイント
①できない理由より上手くいく理由に注目!
新しいアイデアに対して、シリコンバレーでは、お、いいじゃん!て反応で、どうしてそれが上手くいきそうかって考えるのが普通。
この考え方を見習って、上手くいく理由を考えられる限りリストアップしてみるといいですね。
②良いアイデアは、一見良いアイデアに見えない
数えきれないスタートアップを見てきたサム・アルトマンは、成功するアイデアが必ずしも最初から良いアイデアに見えるわけではない、ということを繰り返し色々な場所で語っています。
そんな隠れ優良アイデアは、成功しそうに見えないので、あれこれ言われてまわりの意見に潰されてしまいがちなのだそう。
何かを実現しようとするときには自分を信じることがとても大事ですが、ネガティブなまわりの意見は毒なので、あなたはそんな毒からしっかり身を守れるようにしておかないといけません。
そして、もちろん大前提はコレ。
⓪人にどう思われるかを気にしない
上手くいくかどうかは実際やってみないとわからないから、人にどう思われるかを気にしない
言わずもがな、ですね!
普段の生活にも恩恵大アリなマインドセット
シリコンバレー流:まずは肯定
このスピーチを聞いて、納得~!って思ってしまいました。
わたしはシリコンバレーでどっぷり働いた経験はないので、現地で働きながら実感したわけではないのですが、このブログの旅行記に登場する教授が、かつてシリコンバレーで研究していただけあって、まさしくサム・アルトマンが話しているシリコンバレー流の考え方をする人なんです。
起業アイデアとか難しいことではなくて、普通に普段の会話で、たとえばわたしが、こんなことできたらいいな~とか、ここに行ってこれを見てみたいとか言うと、ほとんどの場合、それも即座に、うん、できるよ、とか、行けるよとかの返事が返ってきます。
そして、どうしてできるのか、どうしたら行けるのかをさらさらと説明してくれるのです。
だからといってこうしろと押し付けられることは皆無。
ほとんどいつもその反応で肯定してくれるので、何か思いついたときにとにかく話がしやすいです。
それに、普段がそんな反応だと、いやそれはムリという超稀な反応のときにもすんなり受け止められます。
彼のこのマインドセットは一緒に住むわたしにとってもの凄い恩恵で、毎日それはもう気持ちよく暮らせていますよ。
彼の下で研究する学生さんたちもやりやすいだろうな~。
非シリコンバレー流:まずは否定
まずは肯定するシリコンバレー流マインドセット、家族間のコミュニケーションや仕事上でのやりとりでも重要ではないですか?
というのも、実は何を隠そう、わたしの元夫が非シリコンバレータイプの代表のような方だったので、よくわかるんです。
彼と暮らしていたころは、何か思いついて話すとダメな理由を語り続けられたり、条件をつけられたりと、とにかくうんざりすることが多すぎて、わたしはだんだん思ったことを話さなくなり、気づいたら心も遠く遠く16万8000光年以上離れていましたね…(遠い目)。
いくら正論だったとしても、何か話すたびにダメな理由をグチグチあげ列ねられるのってあなたもウンザリしますよね?
そして、あなたのまわりにもいませんか?
いつもイエスって言ってたらナメられるからという理由だけで、家族や部下・同僚に権威を示すために、何にでもとりあえずノーと言ったり、何か条件をつけたりしがちなひと。
そんなタイプが相手だと、何か新しいアイデアがあっても、どうせまた何かいわれるし面倒くさいから言うのやめとこってなりませんか?
それとは逆に、もしあなたがまずは否定してノーと言っとくタイプなら、ふと気づいたらまわりには誰もいなかったってことになりませんように。
余談:とはいえ、あなたが上司の立場ならノーと言う場面はたくさんありますよね。わたしの元上司は部下にノーと言うのがとても上手な人でした。彼のやり方は、「That sounds like a great idea but… それはいい考えだね、でも…」のように、まず最初は必ず肯定から入るというもの。ノーと言っていることには変わりないのですが、頭ごなしに否定するよりは断然当たりがソフトになりますよ。
シリコンバレー流マインドセットまとめ
やりたいことをやるシリコンバレー流マインドセット、いかがでしたか?
最後にポイントをもう一度
- まずは肯定
- できない理由より上手くいく理由に集中
- まわりの声は無視
- 自分を信じる
シリコンバレー流マインドセット、あなたも普段の生活にぜひ取り入れてみてくださいね。