マルセイユ旧港
マルセイユ旧港
Credit: Yuki Kai

マルセイユでスリに遭遇したときの体験談です。フランスに限らず旅先でどんなときに無防備になりやすいか、参考になれば幸いです。

リヨンから車でマルセイユに入りました。

途中休憩も入れて4時間くらいのドライブ。

正直マルセイユにはそこまで憧れていたわけではなく、実はマルセイユがプロヴァンスだということも行ってみて初めて知ったくらい。

(わたしのプロヴァンスのイメージは、ピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの12か月」に出てくるリュベロンのような村でした。)

でも、普段海のない砂漠で暮らしているので、折角プロヴァンス方面に行くなら海のある街まで行ってみようと思ったのです。

マルセイユ旧港
マルセイユ旧港
Credit: Yuki Kai

さて、マルセイユ旧港(Vieux-Port de Marseille)に到着すると、夕陽に照らされる港周りの街並みがとても南仏らしくて、一目で気に入りました。

ホテルには駐車場がついていなかったので、少し離れた市営の駐車場に車をとめて外に出ると、ものすごい強風!

道行く女性たちの髪はめちゃくちゃに乱れ、とにかく前に進むのも大変な冷たい海風が吹き付けてきます。

あぁ、これがミストラルなんだ!

気を抜いたら荷物ごと飛ばされてしまいそうです。

マルセイユ旧港
マルセイユ旧港
Credit: Yuki Kai

いきなりミストラルの洗礼を受けながら、ホテルまでの道を歩くことになりました。

港から奥の通りに入り、グーグルマップの調子が悪くちょっと迷走したりしながらも、ホテルの大体の位置が把握できたとき、

ふと見ると少し先の通りにマーケットが出て賑わっていました。

なんだろう、面白そう!

そのマーケットの出ている通りを通ってもホテルに着けるので、見物がてらそちらを通っていくことにしました。

相変わらずのミストラルに吹かれながら、スーツケースをガラガラ引っ張りつつ、屋台の焼き鳥っぽい料理などを眺めながら進みます。

角をひとつ曲がると裏路地っぽいかんじの通りになり、ふと気づくと、そこはアフリカ系の方たちでごった返し、非アフリカ系はわたしたちだけになっていました。

そして、なんというか…

様子を伺われているような何かとても異様な雰囲気を察したときには、もうすでにその通りの真ん中あたりまで来ていました。

引き返すのも前に進むのも危険度は同じ…、それならとにかく前に進むしかありません。

このときの雰囲気は…、きっとわかっていただける方がいるのではないかと思いますが、不吉なオーラが針が振り切れるほどマックスで、わたしの本能がすぐにそこから立ち去れと大声で命令しているようでした。

ヒヤヒヤドキドキしながらも、取り囲まれたりすることもなく無事に速足でその通りを抜け、まったく別世界のように平和な突き当りの通りに着いたきには本当にほっとしました。

ホテルの看板を見つけ、ああよかった、あともう少し!と明るい気分になった瞬間、

はっ!

左肩にかけていたショルダーバッグのジッパーが全開になっています。

あぁっっっ、やられた!

さっきの通りでスリにやられてしまったのです。

旅先でスられるなんて、絶望感で目の前が真っ暗になりました。

取られたのは財布?それともパスポートも…?

被害を確かめるために全開のジッパーの中に恐る恐る手を入れました。

すると、わたしの手はバッグの中に入っていかず、指先がすぐに何かにぶつかりました。

あれ?

わたしの手がぶつかったのはエビアンのペットボトルでした。

あ、そうだ!

ミストラルの中スーツケースを開けるのが面倒で、バッグにギリギリ入るサイズのペットボトルをなんとか押し込んでいたんだった!

バッグの中はペットボトルが占拠していて、手を差し込んでも入る隙間なくパンパンでした。

そして、ペットボトルの下には無事お財布が守られていて、中身も入っていました。パスポートも無事です。

あぁよかった!

この日、バッグの蓋の役目をしてくれたペットボトルがなかったら、きっとお財布はスリの手に消えてしまっていたことでしょう。

実は、旅行出発前に、知り合いから忠告されていたんです。彼の奥さんがプロヴァンスでお財布をスられたから気を付けるようにと。

それなのに、折角の忠告をすっかり忘れていたわたしは、

マーケット見たさにまわり道したストリートの異様な雰囲気から早く脱出しなければという焦りと、吹き荒れるミストラル、そして知らない土地で早くホテルに着いて落ち着きたい気持ちばかりで、

自分の持ち物のことにはまったく注意していなかったのです。

お財布は無事だったとはいえ、残念ですね…。

それにしても、誰かとぶつかったりバッグに何かが触れた感覚さえなかったのに、ショルダーバッグを抱えるようにして持つわたしにまったく気づかせずにジッパーを全開にできるなんて、神業的なスリ技術としかいいようがありません。

翌朝行ったノートルダム大聖堂(Notre-Dame de la Garde)にもスリに注意のサインがあり、やはり多いのかな…という印象は否めません。

どうでもいいんですが、大聖堂で稼いだスリ師たちは、「マリアさま、今日もおかげさまで大漁でした」などと感謝の気持ちでお祈りするのかしらね…?

おわりに

いかがでしたか?

賢いあなたは、マルセイユ、プロヴァンスに限らず、旅先ではどうぞいかなるときも持ち物に気を配ってくださいね。

わたしの今回の例のように、知らない土地で目的地を探しているときなど無防備になりやすいと感じました。

特に好奇心旺盛なそこのあなた、面白そうなものが目についても、まずは周辺が安全そうかを必ず確認、ですね^^

マルセイユ旧港
マルセイユ旧港
Credit: Yuki Kai

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