オルヴィエートで食べた黒トリュフの手打ちパスタ、オンブリチェッリ。
あのコシのある極太麺がもう一度食べたくて作ってみました。
シンプルな材料でとても簡単でしたのでご紹介します。
粘土遊び感覚でお子さんとこねこねするもよし、
ひとりひたすら麺打ちに没頭して無の精神に浸るのもよし。
気の向くままにイタリア・ウンブリア州の地方料理、オンブリチェッリを楽しんでみませんか?
クッチーナ・ポヴェーラ 貧乏人の料理
クッチーナ・ポヴェーラ(cucina povera =poor people’s cooking 貧乏人の料理)と呼ばれるありふれた材料を使った伝統的なレシピ。
その代表ともいうべきものにイタリア旅行の最後に寄り道したウンブリア州・オルヴィエートで食べた超極太麺オンブリチェッリ(ombrichelli)があります。
オンブリチェッリは日本ではウンブリチェッリ(umbricelli)の名前のほうが知られているようですが、どちらも同じもので、小麦粉と水だけを使った手打ち麺です。
おそらくオンブリチェッリのオはオルヴィエートのオ、ウンブリチェッリのウはウンブリア州のウなのではないかと思います。
ウンブリア州はイタリアで唯一海のない州です。どおりでトラットリアのメニューはきのこやジビエ、野菜など陸でとれるものを使ったメニューが豊富だったわけですね。
オンブリチェッリのレシピをイタリア語のサイトで色々見てみましたが、すべていたってシンプル。
材料は基本的に小麦粉と塩と水だけです。
なるほど、どの家庭の台所にもありそうなお金のかからない材料です。
クッチーナ・ポヴェーラ(貧乏人の料理)といわれるゆえんですね。
作り方は、材料をあわせて、こねて、麺の形にしてゆでるだけ。
成形するのにちょっと時間がかかるけど、とても簡単です。
では作り方をご紹介します。
オンブリチェッリ(ウンブリチェッリ)
材料
- 小麦粉(目安としては4人分で300g/米国単位2.5カップ)*
- 塩
- 水
小麦粉はできればパスタ専用の粉、もしくは強力粉を使うのが理想ですが、アメリカで普通に売っているAll Purpose Flour(中力粉)で作っても問題なくコシのある麺になりました。
分量はお好みの一人分のパスタの重量(50~120g) ×人数で。
塩は小麦粉100gに対してひとつまみくらい、お好みでどうぞ。
水はその日の温度/湿度と小麦粉の水分量で変わるので、少しづつ加えて調節します。
作り方
①小麦粉と塩をボールに入れて混ぜ(ふるってもいいです)水を少しづつ加えてまとめます。粉の真ん中をくぼませて井戸のようにして…というのが王道ですが、要は全部混ざればいいです。最終的には生地がまとまってモチモチしているけれど、手やボールにはくっつかない状態にします。5分ほどこねたら生地をまるめて、乾燥しないようにラップをかけ10分以上休ませます。
*こねることで小麦蛋白からグルテンが形成され、麺にコシが出てもちもちになります。
*生地を休ませる理由は
・粉の粒子に水分を拡散させるため
・壊れた生地の成分が再び再生するのを待つため
・発生したグルテンの力を弱めるため
グルテンがないともちもちになりませんが、グルテンが強すぎる状態では生地がゴムのように元に戻ろうとするので伸ばす作業がしづらいからです。ですのでしばらく生地を放っておきます。
②生地をクルミ大くらいにちぎり、台の上で手のひらでころがしながら麺の形にのばします。オルヴィエートで食べた麺は直径8~10㎜くらいでした。茹でると少し太くなるので、直径7ミリくらいを目安に。長さはお好みで。
成形作業は意外と時間がかかります。小さいお子様がいらっしゃる方は一緒に粘土遊び感覚でお手伝いしてもらうと楽しいかも♪
③麺を4~5分茹でます。
水気を切って完成です。
太麺でコシがあるのでコクのあるソースと相性がいいです。
オルヴィエートのトラットリアでは黒トリュフ、ニンニク、オリーブオイルのソースのほか、トマト、玉ねぎ、ベーコンのアマトリチャーナが美味しそうでした。
にんにく、オリーブオイルを多めに使ったアラビアータ(トマトと唐辛子)もこのパスタに合うソースです。
オンブリチェッリをビーフシチューとあわせてみる
オンブリチェッリはイタリアン以外の組み合わせもいいですよ。
今回はオンブリチェッリを、前日の残りのビーフシチューのソースとあわせてみました。
ビーフシチューはシチュー用の牛肉、玉ねぎ、にんじん、セロリ、じゃがいも、マッシュルームを赤ワインとビーフストックでじっくり煮込んだもの。オレンジゼストとサフランが僅かにアクセントになったソースとオンブリチェッリ、思った通り相性抜群でした?
ほかにも、中華の牛肉麺やジャージャー麺に使うのもよさそうですね。そして、たぶん日本のカレーも合うと思います。
オンブリチェッリ、気に入ったらぜひ正統派イタリアンとイタリアン以外の両方を楽しんで、ご自分の組み合わせを見つけてみてくださいね。
オンブリチェッリを食べたオルヴィエート寄り道記録↓
オルヴィエート:黒トリュフの手打ちパスタ
オンブリチェッリにもぴったりのアマトリチャーナのレシピです↓
アマトリチャーナ