サッカーお好きですか?
わたしはもうずっと長い間サッカーファンです。
この記事では、ヨーロッパの有名選手も活躍するアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)について、スタジアムでの観戦体験もあわせてお伝えします。
アメリカでもサッカーを見てみたいな~♪というサッカーファンの方だけでなく、サッカー?ふーん…とあんまり熱くない方にも興味を持っていただけたら、と淡い希望を持ちつつ、今回はわたしの趣味をみなさまに押し付けさせていただきます。(あ、いつもでしたね^^)
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近年ますます拡大するメジャーリーグサッカー
わたしがアメリカに引っ越してきたその昔は、まだまだ全米でサッカーがメジャーなプロスポーツとして定着していませんでした。マンチェスター・ユナイテッド?ベッカム?何それ?というかんじ。
テレビも今でこそ NBC や CBS でサッカーを放映していますが、当時はケーブルテレビでイギリス系の Sky Sports が含まれたプランを契約しないと、試合もサッカーニュースも見ることができなかったのです。
その頃は一部の地域を除いて、フットボールといえばアメリカンフットボール以外にありえない、サッカーは女々しいスポーツというとらえ方が主流でしたね(遠い目)。そんな洗脳に甘んじることなくずっとサッカーファンを続けてきた自分を誇りに思います。
さて、そんなアメリカのサッカー暗黒時代はいまやすっかり過去の遺物になってしまいました。
現在のアメリカでは MLS メジャーリーグサッカーはすっかり市民権を獲得し、スタジアムに行けば家族でチームのキットを着こなし、スカーフを掲げるファンで盛り上がっています。
チーム数も1996年 MLS 発足当初は10チームだったのが、現在は23チームに拡大。2022年までに28チームになる見込みです。
アメリカのサッカーリーグのしくみ
アメリカのプロサッカーリーグには下記のふたつのリーグがあります。
- メジャーリーグサッカー(MLS/ Major League Soccer )
- ユナイテッドサッカーリーグ(USL/ United Soccer League)
MLS が Division 1。USL は Division 2 で、MLS の下の位置付けです。
さて、イギリスのプレミアリーグには、シーズンごとにプレミアリーグ最下位3チームが格下リーグ最上位3チームと入れ替わる Promotion/Relegation システムがありますが、アメリカではそのシステムがありません。
個人的には Relegation があったほうがドラマがあって面白いと思いますが、まぁないならないで自分のチームが格下リーグ落ちしてどんよりした日々を送らなくてすむので、それはそれでいいですね。(←経験済み)
ちなみにわたしの住むアリゾナで現在一番 MLS に近い位置にいるのは、元チェルシー所属でコートジボワールのスター選手ディディエ・ドログバ(Didier Drogba)が選手兼オーナーを務める Phoenix Rising FC です。
折角サッカー特化型スタジアムも去年完成したことだし、もうこうなったらどんな手段を使ってもいいので MLS に昇格してほしいです。
(駄:Drogba は日本ではドログバなんですね…? 普段聞きなれている読み方はドロッバに近い音なので違和感大アリです。)
Designated Player に注目
さて、メジャーリーグサッカーには Designated Player Rule(特別指定選手制度)があります。
それってなんなのかというと、各クラブ3人まで年俸総額の上限額(サラリーキャップ)を超える給料を払ってもいいというルールなんです。
最初にこのルールが適用されたのがベッカムだったので、別名ベッカムルールと呼ばれます。
ベッカムをどうしてもLAに呼びたかったけれど、彼の給料が高すぎたから例外を作らないといけなかったのね…というのはワタクシの解釈です。
でも、ベッカムをそうまでしてLA ギャラクシーに入れたのは、アメリカでサッカー人口を増やす大きな突破口になったので、 MLS 的には大正解だったわけです。
ですので、ほとんどのクラブには年俸上限額にさらに上乗せした額をもらっている凄い選手がいます。あまり知らないチームの試合を見るときは、まずはその選手に注目してみるのもひとつの作戦です。クラブがそんなにお金を出しているのです。普通ならキラリと光る核になるプレーをするはず。
Wikipedia に現在メジャーリーグでプレーする Designated Player のリストがありますので、興味のある方はぜひ見てみてください。そのリストからトップ10のスクリーンショットを貼っておきます。
ユベントスから移籍したイタリア人FWジョビンコや、メキシコ人FWでワールドカップでも大活躍だった、カルロス・ベラ(イケメンとしても有名)、ドイツ人シュヴァインシュタイガー、スペイン人ビシャなど真近でプレーを見てみたいインターナショナルな選手たちの名前が続いていますね。
各クラブのウエブサイトの選手一覧(Roster)のページにも Designated Player の表示があります。この夏英国サイドから D.C. United に移籍して活躍中のウェイン・ルーニー選手を例にあげてみますね。
もちろん、サッカーを観る楽しみはスター選手がどう活躍するかだけではありません。わたしが考える一番の醍醐味はチームプレーと個人の技術の総合体です。
誰がどこからどんなパスを出して得点につながったか。パス⇒パス⇒パス⇒神業的なアシスト⇒もの凄いゴール!!! みたいなパターンが一番興奮します。
ですので、わたしが一番好きなポジションはアタッキング・ミッドフィールダー(Attacking MF)です。
試合に行ってみよう!
サッカー特化型スタジアム
MLSチームのほとんどがサッカーに特化したスタジアムで試合を行っています。
よっぽどスタジアム上部の端っこの席でない限り、どの席に座ってもフィールドが近く感じられるのが、サッカー特化型スタジアムの特徴です。
これまでにAvaya (San Jose Earthquakes) 、DSGP (Colorado Rapids)、Stubhub (LA Galaxy)、で試合を見ていますが、どのスタジアムも音響抜群でパーティーっぽい雰囲気を作りあげ、そこにサポーターグループのドラムや歌声が響いてさらに盛り上がります。
チケット
クラブのウエブサイトのTICKETSメニューからSingle Game Ticketsを選ぶと購入できる試合の一覧が表示されるので見たい試合を選びます。下に NY Red Bulls のスクリーンショットを例として貼っておきます。ちなみに MLS チームのウエブサイトはどのチームもほぼ同じフォーマットです。
チケットの値段はクラブと試合によってまちまちです。年間シートを買っている人が行けない試合のチケットをresaleに出していたりして安く買えることもありますよ。
先週見たSan Jose Earthquakes のチケットは、平日の水曜日ということもあってか、ひとり10ドルで2階席の一番前というとても良い席が買え、プレーする選手がすぐそこ?でした。
クラブによってはチケット+Tシャツ+飲み物など、セットで安く買えるプロモーションをしていることもあるので、チームのウエブサイトもチェックしてみるといいかもしれません。
席を選ぶときのヒント
サッカー特化型スタジアムではよっぽど辺鄙な席でないかぎり、どの席でも試合を楽しむのに支障はないと思います。
気を付ける点はふたつ。
- 午後早い時間にスタートの試合は直射日光のあたる西向きの席に座るとまぶしくて大変です。
- サポーターグループは基本試合中ずっと立って応援しているので、ゆっくり座ってみたい方はサポーターエリアを避けるのがおすすめです。チームのウエブサイトでサポーターエリアがどこか調べてみてください。サンノゼとコロラドはベンチサイドから見て右側のゴール裏、LA Galaxy は同じサイドの左側のコーナー一帯がサポーターエリアでした。特にLA Galaxy のサポーターグループはわたしが行った日はFワード連発で品がなかったので、お子様と行かれる方はご注意を。
駐車場・Uber/Lyft
結構渋滞するので早めに行くのがおすすめです。
駐車場の料金はチームによってまちまちで、現金のみのサイトもあります。サンノゼの Avaya スタジアムの駐車場は現金のみ20ドル。VIPパーキングとやらは50ドルで、北カリのお高めな値段に少なからずショックでした。
コロラドはチケット料金に含まれているので無料。LA Galaxy はパーキングロットによって無料~20ドル。
各チームのウエブサイトの Gameday/Matchday/Venues/Stadium などのメニューから parking information を探してみてください。
Uber や Lyft のドロップオフ/ピックアップ場所を特別に設けているスタジアムもあります。
ちなみに、試合開始後も会場に入れますので、遅れそうなときも焦らなくて大丈夫ですよ。
ゲートでのセキュリティーチェック
コンサートなどのイベント同様、どのスタジアムも空港で見られるようなセキュリティーチェックがあります。
検査が終わったらゲートの前でチケットを見せて中に入ります。
また、LA Galaxy や D.C. United など Clear Bag Policy を採用しているスタジアムは、小さなクラッチバッグ以外は透明なバッグのみ持ち込み可のところもありますので、事前にチームのウエブサイトのMatchday などのページで確認しておくといいですね。
国歌斉唱時のマナー
試合前には必ず国歌斉唱があります。有名歌手だったり、地元の学校のちびっこグループだったりピンからキリまでいろいろなレベルでお楽しみください。
国歌斉唱時のスタンダードは、立ち上がって脱帽し、米国旗の方向を向いて左胸(=心臓の上)に手を当てる、です。
米国市民ではない人は胸に手を置くところまではもしかしたらしなくてもいいのかもしれませんが、マナーとして敬意を示し必ず立ち上がって歌を聞くようにしてくださいね。
アリゾナでMLSを体験するなら1~2月のプレシーズンゲーム
シーズン開始前の調整も兼ねたトーナメント
地元アリゾナにはまだ MLS チームがありませんが、毎年1月~2月に行われるプレシーズンゲームはアリゾナにいながら MLS を至近距離で体験できる絶好のチャンスです。
MLS のチームがその時期アリゾナにやってきて、3月のシーズン開始に向けてトレーニングします。
アリゾナのほかにフロリダやカリフォルニア、メキシコもキャンプ地で、チームがどこでトレーニングをするかは毎年変わるようです。
アリゾナでのプレシーズンゲームはトーナメントになっていて、チケットが必要な正式な試合(Gatedと表示されます)は週末にあることが多いです。
おトクなのは、平日の昼間の非公式な試合です。 Non-Gated なら入場は無料なうえ、選手やマネージメントの雰囲気を超至近距離で体験できる絶好のチャンスです。
2019年のMobile Mini Sun Cup スケジュール
(2019年はサンノゼがアリゾナを飛び越えてメキシコに行ってしまっているので寂しいです涙)
2018年はサンノゼとコロラドの平日の試合を見に行ってきました。プレシーズンゲームなのでファンサービス的なお遊びっぽい試合かと思っていたら、コーチ達からがんがん声が飛ぶ真剣なゲーム。
San Jose Earthquakes 対 Portland Timbers 戦はトレーナーやメディア対応などのチーム関係者に囲まれて観戦。GMご本人が観客ひとりひとりに応援ありがとうと話しかけてくれたり、まるで自分が Earthquakes ファミリーの一員になった感覚に陥る非日常な世界でした。
Colorado Rapids 対 Sporting Arizona 戦は、MLS とアマチュアリーグの違いを残酷に見せつける試合で、Colorado Rapids のいいとこどりでした。
陽射しが強かったのでスタジアムの日陰のエリアで見ていたのですが、試合に出ていない選手全員が直射日光を避けるためにわたしの隣のブロックに座りに来て、秘かにドキドキでした。娘のお気に入りの選手と話せたので、大学の授業を抜けられなかった彼女に報告。
MLSの世界をちょっと覗けて大満足!
練習風景も見られるし、話したりサインをもらったりするチャンスもある平日のプレシーズンゲーム、おすすめです!
空港でお気に入りのMLSチームに遭遇できるかも
実はプレシーズンゲームの数日前に、このブログに登場する教授がサンノゼから乗った飛行機に San Jose Earthquakes のチーム全員が乗りあわせるというハプニングがありました。しかも彼は選手の誰かの隣だったそう。
普段はツーソン空港のカーブサイドで彼をピックアップするところを、その日はしっかり駐車場に車をとめて空港内で待機したのはいうまでもありません。
待ちながら、あわよくばチーム全員と集合写真?と妄想していたところ、なーんと大大大ファンのFW Chris Wondolowski がひとりこちらに向かって歩いてくるではありませんか!!!
私服でモデルのようです。まるでドラマのように彼のまわりだけ後光がさしてキラキラ輝いてました。本当です!きゃー?
一緒に写真を撮ってもらい(教授が撮ってくれました?)猛烈にはしゃいだのは言うまでもありません。
さらに、嬉しすぎて自分の顔がデレデレのクリスとのツーショット写真をフェイスブックに載せてしまいました。きゃー??
きゃー???
プレシーズンの時期はアリゾナの空港でお気に入りのチームの選手と遭遇できる可能性大アリです。
おわりに
いかがでしたか?
アメリカのサッカーもなかなか捨てたものではないですよ!
ぜひ一度試合を見に行ってみませんか??