サンディエゴのリトルイタリーは、イタリアンレストランやイタリアからの輸入品を扱うお店が軒を列ね、時折イタリア語も聞こえてくる楽しいエリアです。
そんなサンディエゴのリトルイタリーを、わたしと一緒に美味しく歩いてみませんか?
連載初回のこの記事では、サンディエゴ・リトルイタリーの歴史と、Barbusaのイカ墨のリゾットをご紹介します。
サンディエゴにリトルイタリーができたワケ
サンディエゴのリトルイタリーは、かつてはシチリアやジェノヴァ湾岸からアメリカへ移ってきたイタリア人によるマグロ漁業や缶詰産業の拠点で、西海岸の「マグロの首都(Tuna Capital)」として栄えてきた地区でした。
また、1906年のサンフランシスコ地震の後には、多くのサンフランシスコのイタリア系漁師たちがサンディエゴに移り住むようになりました。
サンディエゴの缶詰産業を支えてきた漁師たちは、前述のイタリア系漁師たちに加えてポルトガル系の漁師たちも多く、リトルイタリーはそのような漁師たちから成る漁業地区だったのです。
時は移り、サンディエゴのリトルイタリーは、産業構造の変化や都市開発などで街が再編されました。
その結果、お洒落なイタリアンレストランや店舗、ギャラリー、そして住居が立ち並ぶ人気のエリアになりました。
サンディエゴのリトルイタリーってこんなところ
NYやクリーブランドなど、リトルイタリーは全米にたくさんあるのですが、サンディエゴのリトルイタリーはその中でも人気のエリアのひとつ。
メインストリートの インディア通り(India St) には、LITTLE ITALY のアーチが架かり、通路沿いにテラス席のあるレストランがずらりと並びます。
テラス席でイタリア料理を楽しむ人たちで賑わう様子は、イタリアで実際に見てきた街の雰囲気そのまんまです!
レストランだけでなく、ジェラート屋さんやピザ屋さんなど気軽にテイクアウトできるお店や、イタリアからの輸入食品のお店など、ディスプレーを見て歩いているだけでも楽しいんです。
もしあなたが料理がお好きなら、アメリカの普通のスーパーでは見かけない珍しいパスタや、ハム、チーズ、ワイン、お菓子などが狭めの店内にぎっしりと並ぶお店にときめくと思いますよ!
リトルイタリーの味は本当にイタリアの味なのか?
今回、サンディエゴのリトルイタリーで食事をするのが楽しみだったのには理由があります。
数年前、初めてサンディエゴのリトルイタリーを訪れた時に大変気に入ったお店があり、その美味しさに、これは本物のイタリア料理だわ!と感激したのです。
ただ、当時わたしはまだイタリアに行ったことがなかったんですよね…。
それなのに本物だわ!なんてなんともおかしなはなしですが、そのときは、料理本で読んだとおりの正しいイタリア料理だわ!といったニュアンスで感動していたのです。
時が過ぎ、ありがたいことにイタリアを2度訪れ、本場の料理の味を自分の舌で知った今、果たして当時と同じように本物だわ!美味しい!!!と感じるのか。
それとも、あら、ここもやっぱりアメリカ人向けのアメリカンイタリアンだったのね、となるのか。
我ながら興味津々だったのです。
Barbusa のイカ墨のリゾット
気に入っていたお店の名前は Barbusa といいました。
インディア通りのそのお店で前回食べたのは、オッソブーコののったリゾットとウニソースの海老パスタ(その日のスペシャルメニューでした)。
そして、今回、日曜日にサンディエゴに到着して早速ランチに出かけました。
おひとりさまだったので、お昼はわざわざレストランに行かずに、リトルイタリーの食料品屋さん Mona Lisa で買える美味しいサンドイッチで手軽に済ませてしまおうかと一瞬思いましたが、
したいことはできるときにしてしまうのが正解だと思い直し、Barbusa に直行です。
参考:リトルイタリー住民御用達!Landini’s Pizzeria のピザと Mona Lisa のイタリアンサンドイッチ【サンディエゴ】
幸い宿泊先は前回と同じく、リトルイタリーのメインストリート、インディア通りのすぐ近く。
道を覚えていたのですぐにお店につきました。
時間は1時半過ぎ、お店は空いているだろうと思っていましたが、日曜ということもあり予想に反して結構賑わっています。
案内のお姉さんが、おひとりさまのわたしを隅のどうでもいいテーブルではなく真ん中あたりの良い席に案内してくれたのは好感度大。
お店の中心の大きなテーブルには15,6人くらいの華やかなグループが席に着いたばかりで、どうやら3世代のファミリーのようです。
わたしの席の隣にも、おじいちゃんが娘さんと孫たちを連れてきたっぽいファミリーグループ。
どちらのグループも全員わかりやすくイタリアンな顔つきをされています。
ちなみに、わたしの顔診断によると、お店のお客さんは7割以上がイタリア系の方たちのようでした。
さて、今回注文したのはイカ墨のリゾットです。
お米はアルデンテの仕上がり、そしてイカと海老がたくさん入っているのが嬉しい。
気になったのは、ローマ以北で食べた料理より相当多めのにんにくが入っていること。
Barbusa は「Authentic Modern Sicilian Cuisine(現代的な本物のシチリア料理)」を謳っているのですが、
わたしはシチリアに行ったことがないので、残念ながら本場のシチリア料理にこんなににんにくが入るのかはわかりません…。
ですので本当にイタリアの味か?という自分の問いに自分で決断が出せないという結論に到達しました(笑)。
塩味がちょっと強めなのはアメリカ寄りの味付けかな、とは思います。
でも美味しかったのは確か!
Barbusaは、グラスやカトラリーのセンスも良く気持ちいいレストランです。
子ども連れのグループも見かけたし、お洒落な雰囲気なので、デートにもいいと思います。
イタリア系ファミリーがお誕生日のお祝いに使っていたところを見ると、安心して食べに行けるお店なのではと思いました。
Barbusa 場所とレビュー
1917 India Street
San Diego, CA 92101