この記事では、長崎ご当地グルメの角煮まんじゅうと、豚の角煮をぷるとろに作る方法をお伝えします。
「わたしの角煮は味は上出来なのに、なんとなくパサついてる…どうして?」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
角煮まんじゅうの洗礼
先日のこと。
日本から帰ってきたばかりの未成年男子が、長崎で食べた料理をもう一度食べたいなんて、長崎県民のわたしに向かってかわいいことを言うのです。
でも料理の名前はわからない、と。
どんなのだった?と聞くと、
「えーっと…グラバーハウスあるでしょ?あの近くのお店で、白いバンの中に肉がはさんであって…」
ちゃんとグラバー邸を覚えているとは…可愛いヤツめ?
これを聞いて、あ、それは〇〇と言えなかったら、その人はニセ長崎県民かもしれません。
長崎県民でなくても、勘の良い方はもうおわかりですね。
彼が食べてきたのは長崎のご当地グルメ、角煮まんじゅうです。
角煮まんじゅうって何それ?という方のために、
角煮まんじゅうの有名どころのひとつ、岩崎本舗さんのウエブサイトのスクリーンショットを貼ってみます。
彼が長崎で食べてきたのも、この岩崎本舗さんのグラバー園店のものだと思われます。
角煮バーガーの思い出
長崎県民のわたしが子どもの頃食べていた角煮まんじゅうは、今は閉店してしまった中華料理屋さんが角煮バーガーと名付けて売っていたものです。
見た目は岩崎本舗さんのものと同じですが、ゆでたほうれん草が入っていて、からしが添えられていました。
その中華料理屋さんはバス停前のビルの2階にあったのですが、1階に角煮バーガー専門の小さなお持ち帰り窓口があって、中高生のころはよくそこに吸い寄せられてテイクアウトしていました。
ですので、わたしにとって角煮まんじゅうは、レストランでテーブルにきちんと座って食べる料理ではなくて、ハンバーガーやフレンチフライのようなもっとカジュアルでおやつ的なものです。
角煮と東坡肉
長崎に行ったらぜひ食べてほしい料理のひとつに卓袱料理があるのですが、豚の角煮は卓袱料理の一品、東坡肉(とんぽうろう)が起源といわれています。
では東坡肉と角煮の違いは何かというと、一番大きな違いは東坡肉は皮つきの三枚肉、角煮は皮なしを使うところ。
調理法も、東坡肉は最初に揚げたり煮たりして脂を落としてから煮汁で煮て、その後さらに蒸すこともあります。
角煮は元来コトコト煮るだけですが、インターネット上に存在するレシピは東坡肉の脂を落とすメソッドを応用したものが多い印象です。
わたしの角煮のつくり方も最初に煮て脂を落とし、その後もう一度煮汁でじっくり煮て味を染み込ませます。毎回間違いなくぷるとろでホロっと仕上がります。
いつも大体これぐらい~♪の量でゆる~く作っているので、今回は〇〇大さじ〇みたいなきっちりしたレシピではありません。
それよりも、今回お伝えしたいのは、細かい数字ではなくて角煮をぷるとろにする作り方です。
普段角煮を作ってもなんだかパサついてちょっとイマイチという方にはヒントになるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに一晩冷蔵庫で寝かせるのは必須です。今夜のおかずに~♬と夕方から作るのはムリですのでごめんなさい。
角煮がぷるとろになる作り方
材料
豚バラ三枚肉の塊(Pork Belly)
しょうが
ねぎ
しょうゆ
砂糖
酒
水
塩ゆでしたチンゲン菜やほうれん草(オプショナル)
白髪ねぎ(オプショナル)
からし(お好みで)
ゆで卵(煮卵用:オプショナル)
中華バン(割包: Folded Buns)(角煮まんじゅう用:オプショナル)
1.豚肉を下ゆでして、脂を落とし臭みを抜きます。
鍋に豚肉(鍋からはみでるようなら適当な大きさに切って)、薄切りのしょうがひとかけ分くらい、ねぎの緑の部分3~4本、酒少々を入れてたっぷりの水を注ぎ、中火スタートでアクをとりながら煮ます。ぐつぐつ沸騰させると肉が固くなるので、温度が上がり過ぎないように様子を見て火を弱めます。肉が空気に触れないように、水が足りなくなりそうならときどきお湯を足して1時間ほど煮ます。
2.煮たお肉をお湯で洗って綺麗にします。引き続き同じ鍋を使う場合は鍋も洗いましょう。
3.お肉は好きな長さの2割増しくらいに切ります。2割増しなのは調理中に縮むからです。長さは自分が角煮をどう食べたいかで決めましょう。
- そのままおかずとして出すなら、お皿との比率を考えた見栄えのよい長さに。
- 角煮まんじゅうにするなら、角煮を挟むバンの幅より少しだけ狭めに。
- ごはんにのせて角煮丼にするなら、ごはんと一緒におはしで食べやすい長さに。
鍋に薄切りのしょうが、ねぎ、酒、しょうゆ、さとうを入れて綺麗にした肉を入れ、水を肉がかぶるくらい入れます。落し蓋(なければ真ん中に十字に切れ目を入れたアルミフォイルなどで代用)をして弱火でコトコト2時間以上煮ます。
4.鍋ごとそのまま冷まし、冷蔵庫で一晩寝かせます。煮卵も一緒に作るときは、この時点でゆで卵を鍋に入れます。寝かせている間に味がしみ込みます。
5.翌日、鍋を開けると脂肪がラード状に白く浮いて固まっていますので、それを全部取り除きます。
*徹底的に脂を抜きたいときは、さらに2~3時間煮た後再び冷蔵庫で一晩寝かせ、次の日にまた脂肪を取り除きます。
6.お肉をフライ返しなどで別の容器に取り出し(ホロホロになっているので菜箸でとると崩れます)、煮汁を煮詰めて好みのゆるさのたれを作ります。煮詰めるときにお肉を取り出すのは、お肉が高温で固くなったり乾燥したりするのを防ぐためです。煮詰めながら砂糖やおしょうゆで好みの味に調整し、濃いめのたれに仕上げます。
お肉を切るときは、お肉が温かいと脂肪の部分がぷるとろになって崩れやすくなるので、お肉が冷たい状態で切ります。お肉を鍋に戻し、ゆっくり温めます。
好みで塩ゆでして水気を絞ったチンゲン菜やほうれん草や白髪ねぎ、からしを添えます。
角煮まんじゅうにするときは、煮汁の半量くらいをフライパンなどでしっかり煮詰めてとろみの強いたれにします。お肉は食べやすい厚さ(1.5~2㎝くらい)に切り、残りの煮汁と一緒に中火以下であたため、バンにはさんでたれをかけます。好みで塩ゆでして水気を絞ったチンゲン菜やほうれん草、白髪ねぎ、からしを添えます。
わたしは中華系スーパーでバンを買いましたが、バンを手作りしたい人は、「角煮まんじゅう」で検索するとたくさんレシピがヒットしますよ。
おわりに
いかがでしたか?
以下、角煮をぷるとろにするポイントです。
・煮込み中は三枚肉ができるかぎり空気に触れない状態にする
・調理中肉の温度が上がりすぎないようにする(グツグツ煮るなどもってのほか)
・一晩寝かせて翌日脂肪を取り除く
・たれを煮詰めるときは角煮を取り出す
角煮に限らず、お肉を煮込むときにグツグツ強火で煮込まないのはしっとり仕上げる大切なポイントなので、ぜひ覚えておいてくださいね♪