トスカーナ料理といえば、巨大ステーキ、ビステッカ・アラ・フィオレンティーナが有名ですが、もちろんほかにも美味しい料理がありすぎます!
今日はシエナで食べたトスカーナ料理ピチやタリアータをはじめ、サルシッチャのせポレンタや地元のワイン、キャンティ・クラシコなど、12月のパーティーシーズン真っ盛りのシエナで、予約なしで運よくテーブルにつけたはなしと一緒にお伝えします。
今日の記事に使った写真はほとんどピンボケでごめんなさい? でも…フォーカスがあっていない部分からもぜひ美味しいオーラを感じてみてくださいね?
12月のシエナ、ディナーは予約必須
サンフィリッポ温泉からシエナ旧市街へ戻って、ついにシエナでゆっくり食事をするときがやってきました?
チェックインのときにフロントのお兄さんが “It’s not touristy – it’s local and my personal favorite(観光客向けのところじゃなくて、ローカルで僕が個人的に好きなところ)” と前置きしながら教えてくれたお店が2軒。
連れの男子と夕食会議(30秒で終了)の結果 Osteria Boccon Del Prete というオステリアに行ってみることにしました。
予約していませんでしたが、まだ7時台でディナーには早い時間だしたぶん大丈夫よね?♪とお気楽に出かけると、ウエイトレスのお姉さんがわたしたちの顔を見るなり、
「Sorry, we’re all booked. (予約でいっぱいです)」
とバッサリ!
一瞬でゲームオーバーです(涙)
が、しかし!
ここで素直に引き下がってはならないのですよ。
こんなときは、涼しい顔で次の一手を打ちましょう。
「Okay, then do you have any openings for tomorrow? We want to come back for lunch. (そう、それじゃ明日開いてる?ランチしたいんだけど)」
と本気度をアピール。
すると、なんと!ドアの側の一番端の小さなテーブルで良ければいいですよと、あっさりディナーOKになるではありませんか!
小さかろーがドアの近くで寒かろーが構いません。
テーブルゲットです(祝)
その後続々と予約でいっぱいですと冷たく追い返される人たちを横目にラッキー?とメニューをチェックしていると、予約の一団が登場。
雰囲気は明らかに仕事帰りのオフィスの集団です。
あ、なるほど~。
12月はイタリアもクリスマスパーティーという名の忘年会シーズンなんですね!
初めて遭遇したイタリアの忘年会の様子を、自撮りしているフリをしつつ激写してみました。
テーブルが長いので若めのグループと年上グループで分かれてるっぽかったです。
それにしても会社の忘年会が美味しいイタリア料理ディナーって、いいですね~?
というわけで、わたしたちは運よくテーブルゲットできましたが、12月にシエナで夕ごはんを食べるときには、前もって予約しておくほうが安全ですね。
生ハムとサルシッチャのせポレンタ
ウエイターのお兄さんが英語を話せた(万歳!)ので和み、いろいろメニューの質問に答えてもらった結果、アペタイザーに選んだのは、トスカーナ地方の生ハムの盛り合わせとサルシッチャ(イタリアンソーセージ)のせポレンタです。
このお店に来る途中、店先に生ハムがぶらさがる光景を見ていたので、やっぱり特産なんだろうから食べとこうと注文してみました。
パルマで食べた薄~いふんわりしたプロシュートよりは厚めにスライスされています。
参考記事:パルマ料理が美味しい
どれも噛むごとにうまみがじんわり口の中に広がります。
アメリカのピザの上にのってるサラミにはもう戻れないかもしれません…。
そして、驚きの美味しさだったのがポレンタです。
ポレンタはトウモロコシの粉を練って煮たものです。
作り立ては粘度のあるお粥のような形状で、そのまま食べたりお肉料理のサイドに使ったりするほか、冷めて固まったものは焼いたり揚げたりアレンジできます。
アメリカのイタリアンレストランでも時折ポレンタにお目にかかりますが、グリルしたサーモンの下に敷いてあったり、完璧に脇役扱いなので、ポレンタに注目したことはありませんでした。
ですが!!!このお店のシンプルなポレンタで目覚めてしまいました。
グリルされた焦げ目が絶妙で、この香ばしい風味がポレンタを引き立たせています。
そして、丸めただけのサルシッチャがこれまたグリルされ、ちょこんとポレンタの上にのっていて、そこにペコリーノ・ロマーノとパルメジャンを合わせたようなチーズソースがとろり。
このチーズソースが…全然まったくチーズ臭くなく、もしも世の中にアミノ酸値を測る器械があったらふりきれてしまいそうなくらい、ザ・アミノ酸なのです!
人生何十年も乳製品の味と匂いがダメで、今でも食べられないチーズが山ほどあるわたしでもまったく大丈夫で、もう一度食べたいくらい美味しかったです。
ほかに何か野菜のみじん切りとか、ハーブとかそんな小細工はなし、ポレンタ、サルシッチャ、チーズだけの直球です。
こんなにシンプルなのに…味わい深さに驚きながら完食。
凄いです。
ポレンタ、恐るべし。
シエナ発祥のパスタ ピチ
プリミにはシエナで絶対に食べる!と旅行に出かける前から決意に燃えていたパスタ ピチを頼みました。
ピチは小麦粉と水だけで作るトスカーナ地方の太麺パスタで、シエナが発祥とされています。
コシのある太麺で、小麦粉と水だけを使うところ、手で丸めるので形が不揃いなところなど、オルヴィエートで食べたオンブリチェッリ(ウンブリチェッリ)と似ていますね。
参考記事:オルヴィエート:黒トリュフのオンブリチェッリ(ウンブリチェッリ)
ピチはトマトソースやラグーと合わせるのが一般的なようですが、その日のスペシャルにシーフードのピチがあったのでそれにしました。
食べて一口目、ん、なんだかなつかしい味…?
二口目でそれが何なのかわかりました。
長崎ちゃんぽんです。
麺はちゃんぽん麺よりも太いけれど、ちゃんぽん麺も卵を使わない太麺なので食感も少し似ているし、シーフードの旨味の溶け出たソースの味がちゃんぽんのスープの味と似過ぎです。
トスカーナ料理がちゃんぽん風味だなんて、とっても意外!
さて、ピチと前述のオンブリチェッリ(ウンブリチェッリ)を比べると、ピチのほうが若干柔らかいかな。
オンブリチェッリのほうがもっとずんぐりして歯ごたえがあったと思いますが、これはもしかしたらオンブリチェッリはトリュフのオイル系ソース、ピチは汁気の多いソースだったからかもしれません。
どちらもモチモチ?
ソースとよくからみます。
もう一皿のパスタはラグーのタリアテッレ。
たしか猪のラグーだったと思いますが、こちらもなかなかでした。
ワイン
最初のプロセッコのグラスの後は、やはり地元のワインを飲んでみなければということで、キャンティ・クラシコをボトルで注文。
写真のワインはお店のオーナーの男性おススメのものです。
写真には入れそびれていますが、キャンティ・クラシコのラベルにはトレードマークの黒い鶏ガッロ・ネロがついています。
この後登場するお肉料理ととても相性の良い深い味わいのワインでした。
やはり、郷土料理には地元のワインが合いますね。
肉
トスカーナ地方にいるんだからやっぱり肉を食べなきゃ!と頼んだタリアータ。
中が透明感のあるルビー色の完璧な焼き加減でした。
赤いお肉の味を楽しむシンプルな調理法ですね。
良いお肉にソースは不要で、塩、こしょう、オリーブオイルのみで食べるのが一番だと実感できます。
ここまで食べたらもうおなかいっぱいで、デザートはムリ。
でも、どんなデザートがあるか興味津々だったため、またスパイ行為を…。
食べているうちに外はますます気温が下がったみたい。
寒~い旧市街の石畳をドゥオモに寄り道しながら宿へ帰りました。
Osteria Boccon Del Prete 場所とレビュー
Via S. Pietro, 17, 53100 Siena SI, Italy
おわりに
シエナのトスカーナ料理、いかがでしたか?
このオステリア、素晴らしい!というレビューに混じって最低!というのもあり、店員のサービスや態度に不満だった方も少なからずいるようです…。わたしたちが行ったときはそんなことはなかったのですけどね!
ローカルに人気で観光客が来なくてもやっていけるので、観光客に冷たいんじゃないかというレビューを読むと、現地の人が食べているものを食べたい派の人は行ってみたくなりますよね^^
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