カンポ広場
Siena, Italy
Credit: Yuki Kai

シエナの旧市街は、中世の面影を色濃く残す素敵な街。

世界遺産にも登録されています。

あまり大きくないので歩いて見て回れるのも魅力です。

トスカーナ地方といえばフィレンツェを思い浮かべる人が多いと思うのですが、

あなたが中世風味が好きならシエナの旧市街は絶対に気に入ると思いますよ。

今日はシエナのリポート第一弾、シエナに到着した夜のことを思い出してみます。

夜のシエナの様子のほか、シエナへレンタカーで旅するときに注意することや、ホテルでおすすめのレストランを聞くときの英語の言い回しなどもご紹介しています。

イタリアの中世の街ラブな方、シエナに行こうか迷っている方の参考になれば幸いです。

ミラノ空港からパルマ経由でシエナへ

Siena Station
シエナ駅 Credit: Yuki Kai

今回の旅もレンタカーでの移動です。

雪のパルマでの遅いランチに大満足した後、夏に行ったモデナを通りボローニャからさらに南下してシエナへ向かいます。

途中フィレンツェを通るので、もしまたあの高台のミケランジェロ広場に寄れれば、フィレンツェ市街の赤茶色の屋根に真っ白な雪が積もっている光景が見られるかも?とちょっと期待してしまいましたが、

イタリアの冬は日が暮れるのが早いですね…。

フィレンツェを通過するころにはすでに真っ暗だったので、寄り道はなし。

雪のフィレンツェはわたしの妄想に終わりました。

そんなかんじで、シエナに到着したのは20時過ぎ。

連れが調べてくれていたシエナ駅の地下駐車場に車をとめます。

駅をちょっと見てみようと寄ってみましたが、まぁファンシーでもなんでもない普通の地方の駅といったかんじです。

シエナの見どころをお土産用スカーフで確認

シエナのスカーフ
Credit: Yuki Kai

壁にお土産用のスカーフが飾ってあったので、それを見てシエナの観光名所をチェック。

お!シエナ大聖堂やカンポ広場など超有名どころに加えて、キャンティ・クラシコというワインがありますね!

キャンティ・クラシコ(Chianti Classico)はキャンティ・クラシコ地区で作られるワインで、キャンティ(Chianti)とは別モノなんです。キャンティはキャンティ地区で作られたワイン(そのまんまですね笑)。

何が違うかというと、キャンティ・クラシコ地区のワインのほうがキャンティ地区のワインより熟成期間、使用するブドウ品種の規律が厳しいのが特徴です。

ワイン畑の絵の上に描かれている黒い鶏(Gallo Nero)はキャンティ・クラシコ協会のロゴ。

キャンティ・クラシコのボトルにはこの黒い鶏がついています。キャンティのボトルには黒い鶏はついていないんですよ。

キャンティ・クラシコは辛口の赤ワインということで、これはぜひシエナ滞在中に飲んでみなければ?

それにしても、寒っっ。

今回の旅の飛行機のチケットが安いのは寒いからだろうと覚悟はしていたけど、寒さが布を容赦なくすりぬけてくるかんじです。

ダウンコートのジッパーを上まで閉めて、フードもかぶって、手袋もつけて、できる限りの防寒をせずにはいられない気温。

ただ、シカゴみたいに風が吹きすさぶ寒さでないのは幸いでした。

シエナ旧市街は自分で運転しないほうがラクチン

シエナ旧市街城壁
シエナ旧市街の城壁
Credit: Yuki Kai

シエナ駅は、駅前にバス乗り場やタクシー乗り場、ショッピングモールがあって、日本の駅の風景に似ています。

わたしたちはタクシーに乗って旧市街のB&Bまで行くことにしました。

シエナ駅から旧市街までは車で15分ほど。

この夜のタクシーの運転手さんは、なんと今週ドライバーの仕事を始めたばかりというとても若いお兄さん。

彼のお父さんが監督として一緒に乗っているので、わたしたちも安心。

運転が好きだからこの仕事を始めたんだという彼は、片言の英語で今日はすごく寒いけど先週までは暖かかったんですよと教えてくれました。

みんな英語を話せるようで実はそうでもないイタリアで、片言でも英語が通じるのはほっとします。

さて、イタリアを旅していてときめく瞬間のひとつに、現代の街から城壁をくぐって旧市街に入っていく瞬間があるのではないでしょうか。

ライトアップされて雰囲気満点の石造りのアーチを抜けると、石畳の道路が極端に狭くなっていきます。

前回のイタリア旅行で経験した例にもれず、シエナの旧市街の道もそれは狭く、市街に入れば入るほど、入り組んで複雑になってきます。

時折ここ曲がるのはムリっぽいと思えるシャープなコーナーなどもあり、運転している地元の彼でさえクレイジーな道路でしょ?って苦笑いするくらい。

わたしはタクシーにしといてよかったとほっとしました。

ですので、わたしたちのようにレンタカーでシエナに来られる方は、旧市街にも駐車場はあるのですが、駅の駐車場に車を置いてタクシーで旧市街に入るのがおすすめです。

それでも運転したいチャレンジャーな方は、可能な限り一番小さな車を借りたほうがいいですよ。

また旧市街と駅間には途中長い長いエスカレーターがあって、25~30分くらいかかりますが歩いて移動も可能です。

到着翌日のお昼に歩いてみましたが、スーツケースをガラガラ引っ張りながら旧市街と駅間を移動している人たちをたくさん見かけました。

ちょっと距離はありますが、歩いて生活できるように設計されている街だと思います。

ライトアップされた夜の旧市街の風景にときめいていると、タクシーが止まりました。

どうやらそこがホテルに一番近い車が入れる場所のよう。

15ユーロくらい払って車を降りると、おおっ!!!

目の前にいきなり観光名所が飛び込んできました。

カンポ広場、シエナ
シエナ カンポ広場
Credit: Yuki Kai

結構わかりにくいシエナの通り

いきなりカンポ広場が目の前に現れ、ときめかずにはいられません。

そして今日の宿はこの広場のすぐ側なのだそう!あぁ素晴らしすぎる?

早速スーツケースをガラガラしながらB&Bを探します。

だけど、広場のすぐ側のはずなのに、なかなか見つからないのです。

というのは、そのB&Bが、通りに面して建物があってロビーがあってというわかりやすい造りではなかったからです。

これはシエナに限らずイタリアではよくあるパターンなのですが…、

お店などが軒を連ねる目抜き通りがいくつかあって、そこから横にそれる道がたくさんあります。

トンネルっぽいアーチをくぐったりしてそんな小路に入ると、そこには四角の中庭があります。

その中庭の四方をぐるりと囲むように建物が立っていて、庭に面して建物の入口があるのです。

B&Bもそんな建物構成だったので、中庭に入らないと看板も見つからない…。

暗いので通りのサインも目立たないし、ちょっと時間がかかりましたが、なんとか発見。

係の人をちょっと待たせてしまったようでしたが、さすがプロ、嫌な顔ひとつせず快く迎えてくれました。

あなたがB&Bやレストランなどを探してもなかなか見つからないときは、その通りではなくて横道にそれた中庭沿いにあるかもしれませんので、覚えておくといいですよ。

シエナ旧市街のストリート
B&Bの入口がある中庭への通りの看板
Credit: Yuki Kai

チェックインのときにおすすめのレストランを聞いておこう

チェックインのときに朝食の説明や、地図を見せて観光名所の説明などをしてくれますが、このときにおすすめのレストランなど知りたいことをまとめて聞いておくといいですよ。

情報をもらっておけば、空き時間に余裕をもって調べて計画を立てられますね。

ちなみに、これまでにチェックインのときにレストランのことを訪ねると、どの人も個人的に好きなおすすめのお店を教えてくれて、今までに一度もハズレたことがありません。

もしあなたが、わたしのように地元の人が食べているものを食べたいなら、

観光客向けではないところを教えて

Can you recommend any restaurants that are not touristy?

と聞いてみるといいですね。

その人が英語が得意そうなら、さらに一歩つっこんでそのお店で何を食べるのがおすすめか聞くのもアリ。

What do you like to eat there? Any recommendations for what to order there?

あと絶対食べたいものがあるなら、

Do you know any good restaurants that I can eat 〇〇?

と最初から具体的に聞いてみるのがいいですね。

注:わたしの英語は普段こう言って通じているサバイバル英語で、テストで満点がもらえる優秀英語ではないかもしれませんので取り扱いにご注意ください笑

では逆に、観光客向けのお店ってどんなところなのかというと、

たとえば、〇〇広場のような観光名所まわりにズラリとお店を構え、店先の看板メニューにその土地の料理ではない定番イタリア料理が写真つきで大きくのっているところ、とかあやしいですね。

たとえば、北イタリアのヴェローナで、メニューの一番目立つところにローマ料理のカルボナーラとかトマトソースのスパゲティの大きな写真が載っているお店など。

ただし、そんなお店でもそれなりに美味しいのだろうなって気はしますが、お値段は少しお高めな印象ですね。

カンポ広場とプブリコ宮殿

チェックイン後、ロビーに太っ腹に置いてあったケーキやトルタ、それにグラッパとブランデーで休憩した後、ちょっとシエナの街を歩いてみることにしました。

時間は22時前。

シエナ駅にいたときよりさらに冷え込んでいるけど、通りはクリスマスのライトアップでそれは良い雰囲気。

シエナ ストリート
シエナ Credit: Yuki Kai

シエナに限らず、旧市街の夜の街って本当に素敵です。

写真好きな方はときめき度高いと思いますよ~。

カンポ広場もまわりの建物の灯にふんわりと包まれているようで風情があります。

広場は噂通り扇型で、扇の付け根の部分に向かって傾斜がついています。

プブリコ宮殿
プブリコ宮殿
Credit: Yuki Kai

そのカンポ広場の重心の位置にあるプブリコ宮殿、夜遅いのに扉が開いてますね?

セキュリティーっぽい人を見かけましたが、どうやら自由に入っていいかんじなので入ってみます。

プブリコ宮殿内部
Credit: Yuki Kai

中に入ると、イタリアでしょっちゅう見かける謎の動物とふたりの赤ん坊の像が照明に浮かび上がっていました。

この像はローマ神話のロムルスとレムスという双子と雌オオカミ。

ローマ神話によると、赤ん坊だったロムルスとレムスは、叔父の策略でかごに入れられ川に流されるのですが、かごはパラティーノの丘のふもとのいちじくの木の根元に流れ着きます。

そして、雌オオカミから乳を、キツツキから食べ物を与えてもらい助かります。

宮殿内の銅像はその雌オオカミの乳を飲むロムルスとレムスなんです。

神話の終盤では、双子の兄ロムルスはレムスを殺し、ローマを建国するのですが、兄ロムルスに殺されたレムスの息子セニウスとアスキウスは北に逃れます。

そこで建設した街がセニウスの名前からシエナと呼ばれるようになったということで、これがシエナがローマ神話の雌オオカミにゆかりのある理由なんです。

ロムルスとレムス 雌オオカミの銅像
Credit: Yuki Kai

雌オオカミと双子の像はシエナのあちこちにありますよ。

見かけたらオオカミの頭の向きにも注目してみてくださいね。

次回はシエナからちょっと遠出、トスカーナ地方の田舎に遠足に行きます。

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