ラグー、カルボナーラ、そしてティラミス。
わたしが今回初めてのイタリア旅行で一番興味があったことは、普段食べているイタリア料理の検証です。
子どものころから大好きなベタなイタリア料理が、本国イタリアでどう料理されているのかを、見て食べて確かめてみたかったのです。
もちろん、食べたことのない新しい味も発見したいけれど、本場の味を知りたい!
というわけで、ローマ到着初日、【ラグー、カルボナーラ、ティラミス】というイタリア食べ歩きミッションとともに、宿泊先にほど近いオステリアへ繰り出しました。
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リストランテ、トラットリア、オステリアの違い
もしあなたがこの日のわたしのようにイタリア初めてなら、「リストランテ」「トラットリア」「オステリア」の違いって何だろう?と気になるかもしれませんね。
ざっくり言えば、リストランテはより高級なレストラン。
そして、リストランテよりカジュアルなトラットリアとオステリアにはあまり違いがなく、どちらもその土地特有の料理や家庭料理を楽しめます。
敷居の高さは リストランテ > トラットリア > オステリア といわれることが多いのですが、
実際はリストランテよりお高いトラットリアがあったり、そこまで高級ではないのにリストランテを名乗っていたり、など実際にお店に行かないとわからないことが多いのです。
ですので、yelp や TripAdvisor のレビューや写真を参考にしつつ、お店に入る前に、テラス席のお客さんが食べているものとメニューを見て判断するのが確実ですね。
さて、わたしが好きなのはずばりオステリアです。
なぜかというと、地元のひとたちが普段よそゆきではない日に食べているものを食べられる可能性が高いと思うから。
ですので、最初の夜の食事も、宿泊先まわりの数あるお食事処の中から Vecchia Osteria del Gelsomino に行ってみることにしました。
予約はしませんでしたが、まだディナーの時間としては早めの8時台だったので待たずに入れました。
初ローマごはん、ときめきます!
ブルスケッタってこんなにシンプルでいいの?
まずはワインと前菜 Antipasti にブルスケッタを頼んでみます。
ブルスケッタもイタリアでは一体どうなの?と思っていた料理のひとつなので興味津々。
出てきたのはこれです。
お?
トマトが輪切りのままのっていますね!
わたしがこれまで食べてきたブルスケッタのトマトは例外なく角切りで、他の材料も色々混ざって趣向を凝らしたものばかりだったので意外です。
赤すぎるほど赤いトマトの上に、バジルがちょこん、そして、オレガノ少々、
そこにオリーブオイル。
これだけです。
にんにくはもしかしたら炭火で炙ったパンにこすりつけてあったのかもしれないけど、主張するほどの存在感はなし。
一口齧ってみると……炙られて乾いた質感のトーストと、ジューシーなトマトの果肉がじゅわっとあいまって、お、美味しい?
とにかくトマトが、甘いんです!!!
こんなに美味しいトマトは食べたことがありません。
まるでトマトを味わうためのわき役としてほかの材料が存在しているようなかんじです。
イタリアのトマトは美味しいと噂に聞いていましたが、衝撃の美味しさのブルスケッタで早速ローマのトマトの洗礼を受けてしまいました。
さて、お店で注文したときは、ワインを頼んだついでにメニューを見ずに「ブルスケッタあります?」「ありますよ」「じゃぁ、それ」みたいな頼み方をしたのですが、
お店のウエブサイトからメニューを見てみると、ブルスケッタは3種類あります。
- Bruschetta semplice シンプル・ブルスケッタ
- Bruschetta Pomodoro トマトのブルスケッタ
- Bruschetta prosciutto プロシュートのブルスケッタ
わたしが食べたのはトマトのブルスケッタだろうと思い、ではシンプル・ブルスケッタって何?と調べてみると…。
こちらも検索結果の写真のほとんどがトマトのせブルスケッタ。
が、中にはローマ風ブルスケッタ Bruschetta alla romana と呼ばれる、炙ったパンににんにくをこすりつけてオリーブオイルをかけたものをシンプル・ブルスケッタと呼んでいるケースもあります。
たぶん…呼び方はお店次第なのかな…?
気になる方は注文するときに要確認ですね。
ラグーとカルボナーラのリガトーニ
プリミ・ピアッティ Primi Piatti (直訳は第一の料理)に、食べ歩きミッションであるミートソース Ragù とカルボナーラを注文。
カルボナーラはこれまでスパゲティかフェトチーネのような長い麺でしか食べたことがなかったので、リガトーニで出てきたのは意外でした。
ローマ風カルボナーラではリガトーニを使うのが伝統的とする説もあり、カルボナーラにリガトーニは一般的なのだそうです。
ところで、本場のカルボナーラには生クリームが入らないというのは日本でも結構知られていますよね。
カルボナーラの一般的な材料は卵とパンチェッタ(豚肉の塩漬け)かグアンチャーレ(豚の頬肉の塩漬け)とペコリーノ・ロマーノに、にんにく、塩、そして黒胡椒。
卵を上手くクリーム状に仕上げるためには火加減が難しいのですが、ローマで出てきたこのカルボナーラはところどころ卵が固まっていますね?
ローマにいる間にリガトーニのカルボナーラを2皿、スパゲティを1皿食べたのですが、別のお店のリガトーニの卵も同じ状態だったので、この状態でもよしということなのでしょうか…?
スパゲティのときはとろとろの理想のクリーム状のソースになっていたので、もしかしたらスパゲティで注文するほうが卵が固まっていない可能性が高いかもしれません。
確かに、細いスパゲティよりも面積の大きいリガトーニの方が熱をキープする時間が長いので、調理後に卵が固まりやすいかもしれないです。
さて、カルボナーラは黒胡椒をたっぷり、が定番と日本の料理本にはもれなく書いてあったと記憶しているのですが、どのお店のカルボナーラも目立った量の黒胡椒がかかっているわけではなく、こちらも意外でした。
お味のほうは、どちらもわたしがアメリカで作っている味と大差なく(祝)うんうん、とうなずきながら美味しくいただきました。
アメリカでどろどろチーズクリームソースの中でパスタが泳ぐカルボナーラを作っているシェフには、ぜひイタリアに修行に行ってほしいところです。
ビステッカ
セコンディ・ピアッティ Sedondi Piatti (直訳は第二の料理)からビステッカ Bistecca を頼んでみました。
難しいソースはなく塩コショウでシンプルに肉の味を楽しむ直球の炭火焼きステーキです。
後日フィレンツェで食べたものよりはお肉は薄めでしたが、柔らかいお肉は噛めば口の中にじんわり旨味が広がります。
お肉が美味しくて…肉食のわたしは満足!
ティラミスとパンナコッタ
一番衝撃だったのがティラミスです。
なにが衝撃だったかって、もう美味しすぎて大変だったからです!
写真(ピンボケすみません)のティラミス、クリームの色が黄色ではありませんか?
わたしが今まで食べてきた&自分で作ってきたティラミスは、マスカルポーネチーズ色の乳白色。
だけど、今回食べたティラミスは、卵の黄身がしっかり入ったカスタードクリームかと思うような味と風貌です。
甘すぎず、とろ~り口の中にとろける具合が…天国です?
作りたてだったようで、エスプレッソをしみこませてあるビスコッティ・サヴォイアルディがぐしゅぐしゅではないちょうどいい舌ざわりで、大絶賛しながら完食しました。
あまりのおいしさにもうひとつ頼んでもいいくらい…美味しくて感動しました。
レシピの配合も関係するのでしょうが、たぶん卵やチーズなど材料そのものが美味しいのでしょうね。
パンナコッタも美味しそうでしたよ。
最後にサービスで出てきたクッキーは、ほろっとやわらかく、シナモンなどのスパイスがきいた素朴な味でした。
Vecchia Osteria del Gelsomino場所とレビュー
Via del Gelsomino 68 | Zona San Pietro, 00165 Rome
常連さんと思われるおひとりさまの男性客や家族グループが目立つ、ご近所オステリア的お店でした。服装はカジュアルで大丈夫です。
おわりに
ローマ最初の夜のオステリア、いかがでしたか?
改めて食べたものの写真を見てみると、すべてが素材の味を生かすシンプルな料理。
チマチマした小細工はありません。
いいですね~。
特に甘~いローマのトマトの衝撃と、ティラミスの得も言われぬとろ~り感は今でも忘れられません。
イタリアで食べたものを再現する実験もしています