パリのチョコレート屋さんめぐりのきっかけとなったのは、SNSで見かけたパトリック・ロジェ氏のチョコレートでした。
一体どんな味がするのかしら?
好奇心いっぱいでパリ・マレ地区のパトリック・ロジェ氏のお店を訪ねてみました。
パトリック・ロジェ氏のお店へ
最初に訪ねたジャック・ジュナン氏のお店から歩くこと約10分。パトリック・ロジェ氏のお店に到着です!
パトリック・ロジェ氏のお店は、パリをはじめブリュッセルなどいくつかあるのですが、今回訪ねたのはマレ地区Rue des Archivesにあるお店です。
ショコラティエであり、また彫刻家でもあるというパトリック・ロジェ氏。
彼のお店は、サンドベージュの建物の並ぶ通りの雰囲気とは対照的なダークな外観で、独特の雰囲気を放っていました。
お店のドアをそっと開けると、スーツ姿の女性の店員さんがひとりカウンターの後ろから挨拶してくれました。お客さんはわたしだけで、店内はひっそりとしています。
チョコレートの試食をすすめてくれたのでいただいてみました。
なに、コレ、めちゃめちゃ美味しい…。
カカオニブが散りばめられた薄いソリッドチョコレートで、あぁこれは厳選した材料で作っているのだろうな~と思わずにはいられない濃密な味わいです。
そこにカカオニブが良い具合に効いていて、調和加減が素晴らしい。
チョコレートが展示されているフロアは、大きなオブジェや壁のデザインがまるで美術館の個展会場のような雰囲気です。
これがパトリック・ロジェ氏の世界なのだなぁと感じ入るものがあり、店員さんにお断りしてお店の写真を撮らせてもらいました。
肝心のチョコレートは、半球型のドームとプラリネのロシェを絶対に食べてみたいと思っていました。
1種類だけが詰められたものもありましたが、折角なら色々食べてみたい!
ですので、プラリネとロシェも入っている詰め合わせのセットを選びました。
その日(2020年3月)のお値段は39ユーロ。
実は在米生活の長い私の感覚では、正直ちょっと高いな~と思ったのですが(笑)、
実際にパトリック・ロジェ氏のチョコレートを味わった後では、これだけ色々な種類の美味しいチョコレートが入って39ユーロなら、むしろとても良心的だと言わざるを得ません。
箱のペパーミントグリーンは、アメリカでは緑色のものを身に着けてお祝いする聖パトリックの日(St. Patrick’s Day 3月17日)を思い出させ、パトリックの名にちなんでの選択なのかな~とふと思いました。
ちなみに、聖パトリックはアイルランドにキリスト教を広めた司教です。三つ葉のクローバーに似たシャムロックを手に三位一体を説いたという伝説から、シャムロックとその緑色は聖パトリックと関連付けられています。
このパトリック・ロジェ氏のチョコレート、とにかく一口ごとに感嘆しました。
ダイナミックという言葉がしっくりくる大胆な味わいです。
それぞれのチョコレートは男性的でとても力強い風味なのに、味の微細なディテールまで完璧に考え尽くされている…そんな印象を受けました。
そして、なんと!
箱の底が一面シート状のチョコレートという嬉しい驚きが待っていました。
このカカオニブの散りばめられたソリッドチョコがそれはそれは秀逸で、唸りました。
思えば、パトリック・ロジェ氏のお店で試食したのもこのソリッドのチョコレートだったのだと思います。
ロシェもドームもそのほか箱の中のものはすべて美味しかったのですが、一番記憶に残ったのがこの板チョコでした。
あぁ、また食べたいな。
訪ねたお店:
Boutique Patrick Roger
43 Rue des Archives, 75003 Paris, France
カフェ休憩―パリの街角カフェ・ミス・マノンでパリ・ブレスト
無事ジャック・ジュナン氏とパトリック・ロジェ氏のチョコレートをゲットし、庭園のベンチに座ってのんびりしたり、散策を楽しみながらホテルへ向かって歩いていると、陽が落ちて風が冷たくなってきました。
ちょっとコーヒーでも飲もうかな…でもどこにしよう?
すると、ちょうどタイミング良く、ミルフィーユなど魅惑のフランス的なケーキが並ぶカフェが現れました。
ガラス越しに眺めるケーキの美味しそうなこと。
大好物のミルフィーユをはじめすべてがキラキラ輝いています。
ここで休憩しようっと!即決です。
お店の中に入ると、あぁ!中にはさらにたくさんのケーキがあります!!! どうしましょう!!!
すると、なんと!そこにパリ・ブレストを発見してしまいました!!!
それも最後の1コです!
このパリ・ブレストを見つけた瞬間、私の瞳孔は獲物を見つけた猫みたいに全開になっていたことでしょう。
早速カウンターの中のお姉さんにパリ・ブレストとコーヒーを注文しました。
席に持ってきてくれるらしいので、通りを人が行き交う様子が見える窓際のテーブルに座り、
今日の戦利品・ジャック・ジュナンとパトリック・ロジェの袋を安全な場所に置いて準備万端で待っていると、イケメンな店員さんがコーヒーとパリ・ブレストを運んできてくれました。
あぁ。
このパリ・ブレストを見て「え!そのパリ・ブレスト、間違ってない?」と思ったお菓子通の方もいるかもしれませんね。
だって、パリ・ブレストは本来なら自転車のタイヤの形ですものね。
でも、明後日にはもうパリを発つのだから丸かろうが四角だろうが、パリ・ブレストなら、そして美味しければオッケーだったのです^^。
このパリ・ブレスト、長方形のすべての面が生地で囲まれています。
その中には、ヘーゼルナッツの美味しいクリームとサクサクのプラリネが層になっていて、上面に絞り出されたクリームには砕いたヘーゼルナッツが散らしてあります。
ちなみにプラリネとは、ヘーゼルナッツやアーモンドなどのナッツと砂糖を焦がして作ったキャラメルを混ぜてペースト状にしたものです。
あぁもう、ヘーゼルナッツ風味のお菓子ってどうしてこんなに美味しいのでしょう!
隣の席で美男美女の若いカップルがお茶しながらイチャイチャ幸せそうにしていたその傍ら、ひとり恍惚として長方形のパリ・ブレストをいただきました。
こうして、この日ジャック・ジュナン氏のお店で食べ損ねたパリ・ブレストを街角カフェで堪能することができました。
それにしても、行き当たりばったりで入ったカフェでも美味しいケーキを食べられるなんて、パリってやっぱり素敵。
有名店ではなくても美味しいのだから、人気店のケーキなら一体どんなレベルなんでしょうね。
お会計はテーブルではなくレジで支払ってお店を出るスタイルだったので、件のイケメンのお兄さんが立つレジ台へ。
すると、すぐ側のガラスケースにシューケットがあるのに気づきました。
シューケットはクリームの入っていないプチシューで、パールシュガーをまぶして焼いたもの。わたしにとってはパリっぽいお菓子のひとつ。
ちょっとだけ欲しいな…。
「シューケット2コ買えますか?」と聞いてみると、お兄さんは「2コ?」と面白いこと聞くね、とでも言いたげな顔つきで聞き返しました。
そして、シューケットを2つ紙袋に入れて、なんとタダでくれました。
イケメンは心も優しいのですね^^
Miss Manon
87 rue Saint-Antoine 75004 Paris France
Trip Advisor レビュー
お店を出ると、外はだいぶ薄暗くなって風がさらに冷たくなっていました。
仕事が終わって帰宅している風の人たちに混じって、ちょっとせわしい通りを歩き、素敵な中庭を通り抜けてホテルへ帰りました。
チョコレート屋さんめぐり、次回へ続く。
パリのチョコレート屋さんめぐり(全3回)
1.ジャック・ジュナン
2.パトリック・ロジェ ←今ココ
3.ル・ショコラ・アラン・デュカス
フランス旅行記